ぜんぶなんとかなる

ふしみの雑文

情報絶食するために便利な3つのツール

漠然と考えていた「自分の時間は自分で管理したい」という気持ちをより整理してみると、根源にあるのは「自分の注意力というリソースは自分のコントロール下においておきたい」という気持ちだと気づいた。すぐに反応する必要のないことで集中力を奪われたり、それが頭のなかに長く残っていたりするのは嫌だ。

ただ、スマートフォンやPCを使った仕事をしていると、SNSやフィードを全く使わないことは難しい。どうしてもすぐには反応する必要のないプッシュ通知に邪魔されたり、手癖でSNSをチェックしてしまうことも多い。

情報摂取を減らし、注意力の配分を自分のコントロール下に置くために、環境を整えることを、なんと呼ぶべきかは難しい。「ソーシャルデトックス」「ソーシャルダイエット」などもあるが、ぼくらを煩わすのは必ずしもソーシャルな関係そのものではなく、その情報を摂取するタイミングである。しっくり来ているわけではないが、とりあえずは「情報絶食」と呼ぶことにする。

ここ1年くらい情報絶食の方法に関心をもって、いろいろ調べてきたので、この記事ではメモ代わりに情報絶食するために使っているツールを紹介する。情報絶食には様々な方法があるが、「プッシュ通知を断ち切る」ことを基本とするのが手軽でよい。

メール配信を遮断する

こういうことに関心がある人には当たり前のことかもしれないが、SNS等からのメール配信は すべて 排除する。サービス側からの設定削除でもよいが、Gmail側でフィルタリングするのが簡単。ただし、Twitterに関してはアカウントを新しく取得するときのために、アーカイブしている。また Facebook, paypal など、乗っ取られると生活に支障が出るアカウントに関しては、セキュリティリスクに関するメールなどを受け取るためアーカイブしておく。

おやすみモード (Do Not Disturb)

iPhone には、一時的に通知をオフにする「Do Not Disturb」がある。これは主に寝る前などにオンにして、寝ている間の通知をオフにするものだけど、これを利用するとかなりプッシュされてくる通知の量を減らすことができる。

具体的には、おやすみモードをオンにしておき、さらに「時間指定」で朝の6時間以外をずっとオン (12:00〜翌6:00) に設定する。さらに、「通知なし: iPhoneのロック時のみ」→「常にする」に変更。これで朝の6時間以外は、着信も含めて全くプッシュ通知がなくなった。電話着信は受けられないと困るならば、「着信を許可」で誰からの着信を許可するか選択できる。面倒であれば着信のみ「すべての人」に選択しておくとよい。

さらに、「通知センター > ロック画面でのアクセス」でロック画面での通知を切っておくと煩わせられなくてすむ。通知の確認が必要であれば、上から通知センターを引き出して確認すれば良いから、自分から情報を確認したい時にはそうする。Android で同様の機能をどうやって実現するかは、要確認。

/etc/hosts を編集して、アクセスを遮断する

/etc/hosts を編集すれば、特定のドメインへのアクセスを禁止することができる。ターミナルから、cp /etc/hosts ~/hosts.backup でバックアップしてから、 sudo vi /etc/hosts でファイルを編集する。

127.0.0.1       localhost
255.255.255.255 broadcasthost

こういう風に書かれている。このファイルの左段に書かれているホスト (ex. localhost) を解決する際に、DNSに問い合わせることなく、右段のIPアドレス (127.0.0.1) を用いる。例えば tumblr へのアクセスを封じたければ、以下。

127.0.0.1       www.tumblr.com
127.0.0.1       tumblr.com

127.0.0.1       api.twitter.com
127.0.0.1       www.twitter.com
127.0.0.1       twitter.com

127.0.0.1       facebook.com
127.0.0.1       www.facebook.com

これらを追記して、ブラウザなどのアプリを再起動すれば、もうアクセスすることができない。ループバックアドレスを指定しているが、好きなIPアドレスを指定しよう。(ただし、https を利用していないクライアントアプリなどでは、認証情報が漏れる可能性がある。信頼できるアドレスを指定すること)

この方法の利点は、システムのすべてのアプリからTwitterへのアクセスが遮断されること。

バックアップから戻す場合は、 sudo cp ~/hosts.backup /etc/hosts

OSX 通知センターの投稿機能を使う

OSX の通知センター右上にはメッセージやSNSへの投稿専用のインターフェイスがあるので、これを投稿だけの単機能のクライアントとして使う。自分の場合はとくにこれが役立った。「SNSにアクセスしたくなる」ときは「いますぐその情報や感情を忘れたい時、あとで思い出せるように」という need にドライブされることが多かったので、「投稿だけできて見られない」というはけ口を用意してあげると、意外と解消された。

特に Twitter は、感じたことや引用、リンクをメモするために使う場合が多いので、投稿だけの単機能クライアントとして使って、Twilog - Evernote 連携で検索できるようにするという使い方にするのが手軽だった。

SNSのアカウントを Deactivate(解除) / 削除する

最近のSNSでは、アカウントを Delete せず、機能や通知のみを無効化する Deactivate の機能を持つものがある。Twitter は Delete = Deactivate となっており、削除から30日以内にログインすると復活する。Facebook は、Delete してから14日以内 (Deactivate なら無制限) にログインすると復活する。どちらも復活する際にデータはすべて引き継がれて、意外にハードルは低い。ソーシャル上で身を隠したい気分になったらすればよい。

その他

モバイルのクライアントアプリを消す

これも基本的なことだけど、モバイルのクライアントアプリを消すのは手軽。ただ、友人の多くはWebブラウザからアクセスしてしまっているので、通知がなくなるだけでそんなに効果はなさそう 笑

これに加えて、iOSから「機能制限」でアプリの新規インストールを制限することもできる。

パスワードを変える

Twitter のパスワードを変えて、紙に書いて戸棚にしまう」という方法も聞いた。OAuth の認証も解除する必要がある (Settings → Security & Privacy の項目で設定できる)。