ぜんぶなんとかなる

ふしみの雑文

インタビュー

いろんなインタビューをしてきたけど、基本的にインタビューは、相手がすでに言葉にしたことのある考えや思想を再び語ってもらう場であってはならない。相手が思ってもいなかったこと、言葉にしたことがなかったことについて、その場で言葉を紡ぎながら語ってもらう共同作業の場だと思っている。


すでにブログや書籍で文字として世に出ている言葉を、取材対象に繰り返させるだけのインタビューは無駄だ。なにより相手に失礼だ。


文字起こししたとき、そのまま原稿になるような綺麗な言葉ばかりのインタビューは失敗だと思っている。その言葉はすでに一度生まれ、そのヒトのなかにストックされていた言葉だ。新しいものが生み出される瞬間、それに対応する明確な定義のある言葉はまだ存在しない。


だから1人にインタビューをするより、対等な関係の2人にインタビューする方が、生き生きとした新鮮な言葉を引き出せる場合が多い。もちろんそのぶん調整は難しいけど。